「日中韓3ヵ国コンテンツ市場比較と中国・韓国のコンテンツ産業動向」開催報告
2016年09月08日
DCAJビジネスセミナー開催報告
「日中韓3ヵ国コンテンツ市場比較と中国・韓国のコンテンツ産業動向」
■日時: 2016年7月25日(月) 15:30~17:45
■会場: デジタルコンテンツ協会 会議室
■概要
15:30~15:35 開会挨拶 DCAJ常務理事兼調査部長 黒川啓太郎
15: 35~16:10 講演1 「【2014】日中韓3ヵ国コンテンツ消費市場比較のサマリー解説」
講師: 木下 勇一 (DCAJ 調査部 主幹)
日本のデジタルコンテンツ協会、中国の北京大学文化産業研究院、韓国の韓国コンテンツ振興院が連携し、日中韓3カ国が各々の統計データ等を同一調査票に可能な限り同一基準で記入する方式で、有意な分析を可能とするデータ収集整備を行いまとめたレポートの概要を説明した。
・成長が著しい中国。コンテンツの市場規模は世界第2位
・コンテンツから見た場合、「静止画・テキスト」は3カ国共通して大きな割合を占めている。
・国別に割合の大きいコンテンツは、日本「動画」、中国「音楽・音声」、韓国「ゲーム」。
・3カ国共通して成長が最も著しいコンテンツは「ゲーム」。
・現状、最も大きい流通メディアは日本「パッケージ」、中国「放送」、韓国「ネットワーク」
・各国とも共通して「パッケージ」が減少し「ネットワーク」の割合が増加している。
16:10~16:55 講演2 「韓国コンテンツ産業の最新動向」
趙 章恩 氏(韓国ITジャーナリスト)
韓国デジタル産業の動向を様々な事例を中心に解説された。
・韓国ではスマートフォンの普及率が90%を超え利用時間も伸びている。
・この1年ではVR・AR・ホログラム・4K8K・人工知能といった技術を活用したコンテンツに注目が集まりデバイスの高画質化が進んでいる。
・動画配信サービスも拡大するなか映像コンテンツは中国資本の流入が顕著になってきている。
韓国では『ポケモンGO』の正式サービスは開始されていないが、なぜか制限地域を逃れた束草市でプレイが可能になっていて、社会現象と言えるほどの空前の大ヒットを記録しているという話題も紹介された。
17:00~17:45 講演3 「中国コンテンツ産業の最新動向」
中村彰憲 氏(立命館大学 教授)
中国デジタルコンテンツ産業の最新トレンドや、世界の潮流となりつつあるVR市場に対する中国ビジネス界の動向を整理して解説された。
・ここ数年のトレンドを踏襲し中国はアジア最大の映画及びゲーム市場としての地位を堅固なものにしつつある。
・従来、日本や米国などと比べて若干遅れをとっていた、コンテンツのクロスメディア展開も進められるようになった。
・中国国産アニメ作品でチャイニーズドリームをつかんだクリエイターも生まれている。このような現象は従来、見られない現象であった。
中国の映画業界についてかなり踏み込んだ内容が紹介された。
17:45 閉会
◇2014年 日中韓3ヵ国のコンテンツ消費市場比較」レポートはDCAJ会員の皆様には配布可能です。ご希望の場合はhakusyo@dcaj.or.jp宛てメールでお申し込みください。
◇「中国」、「韓国」の講演内容の一部については「デジタルコンテンツ白書2016 海外動向」(9/1発刊)のなかでご覧いただくことが出来ます。